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給料の交渉をする際には、外堀を固めておいた方が良いだろう。
そんな時に役に立つのが、ちょっとしたうんちく話だ。
サラリーマンにとって最も大事な存在である、給料の語源くらいは知っておきたい。そうすれば、給料をもらえるありがたみも、より一層解るようになってくる。その事が、年棒交渉の際に話す言葉に厚みをもたせ、交渉を優位に進める事を可能とする。
英語で給料を表す言葉は、「salary」だ。
「salary」の語源は、ラテン語で塩を意味する「salarium(サラリウム)」。
古代ローマでは、兵士の給料に塩が支給(サラリウム・アルジェンタム)されていた。サラリー(給与)はその言葉に由来する。兵士はその塩で、他の商品を得る事ができた。すなわち、塩が貨幣的役割を果たしていたのだ。
塩は、あらゆる商品の価値を測る尺度であり、大変重要なものであった。都を築く時も、まっ先につくったのが「ビア・サラリア(塩の道)」。「彼は、彼の塩ほどの値打ちもない」とは、奴隷を買うときの言葉だ。
「sal」が語源になっている言葉は他にも色々ある。
サラダ(salad)は、その昔、貴族が野菜に塩をかけて食べていた事に由来する。
ソーセージ(sausage)も、塩で味付けされているという意味から。
サラミ(salami)も同様。
サルサ(salsa)は、スペイン語でソース(sauce)。
ソース(sauce)は、「塩味のついた」というのが元々の意味。
ソーサー(saucer)は「ソースの調味料入れ」から「受け皿」を意味し、カップ&ソーサーはコーヒーのコップと皿のセットの事をいう。
また、欧米人と食事する際は、塩をこぼさないように注意されたい。西洋のテーブルマナーでは、塩をこぼすことは不幸をまねくと考えられている。
食事中にそのような状況になった時は、左肩越しに一つまみの塩を投げたり、テーブルの下を這って反対側に出る事で、バッドラックを打ち消すことが出来るとされている。レオナルド・ダ・ビンチは、「最後の晩餐」の絵の中で、裏切り者で不幸を招いたユダの右手首の横に塩壷からこぼれた塩を描いている。
また、「塩=給料」は、西洋だけの話ではない。
塩は、現在は漢字で「塩」と書くが、昔の難しい漢字(元字)では「鹽」。 臣と旗と皿の組み合わされた字だ。蒙古(モンゴル)では、塩は貴重品であり、戦いの報酬として塩が与えられたそうだ。戦いが終ると家臣は皿を持って旗(大将)の元に集まり、そこで塩を貰ったらしい。
日本でも塩は貴重であった。領地に海がない武田信玄が塩不足で困った時に、上杉謙信が塩を送った「敵に塩を送る」は、良く知られている故事である。塩は1905年(明治38年)から1997年まで、塩専売制度のもと販売されていた。これは、国内塩業の育成・保護の観点と、日露戦争の膨大な戦費を調達する事がその背景にあったようだ。
また、サラリーをもらう人=「サラリーマン」は、和製英語なので、英語圏では使えない。適しているのはoffice workerやbusinessman。あるいは、「engineer」や「sales rep」のように職種を答えるのが良いようだ。salary以外にも、年棒を表す表現の「annual pay」や 「yearly pay」、月給を表す「monthly pay」のように、「pay」も給料を表す言葉としてよく使われるので、覚えておきたい。
ちなみに英語のsaltは、ドイツ語でsalaz、フランス語ではsel、古代英語ではsealt、ラテン語ではsal。
フランス語の「salut(サリュ)」は、「お大事に。」が転じて、親しい間柄で「やあ。」の意味で使うようになった言葉。日本でも1,000円ショップの店名で知られている。Salutの発音のポイントは,語尾の母音「t」を読まない事。その代わり、「lu(リュ)」の部分は口を突き出して、強めに「リュー」というくらいのつもりで発音するとフランス語らしくなる。
一方、日本の商業都市、大阪の場合。
親しい「やあ」は、「もうかってまっか?」。
ここでもやはり、給料につながった。
参考サイト
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