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小学校の卒業式とは、割と感動的なものだと思っている。
在校生から卒業生に向けて贈るメッセージ、感傷的なマイナー調の歌。低学年の生徒が一生懸命に歌う歌。長年お世話になった先生との別れ、先生の感動的な話。これを機に退職する先生の登壇等など・・・。思わず涙が出そうになる、心を揺さぶられる演出だ。
だから、以前住んでいた東北の小学校では、卒業式のリハーサルで泣き出してしまう在校生がかなりいた。リハーサルで泣くのはちょっとかっこ悪い。それでも、泣く事を我慢する事が出来ないくらいの雰囲気が、そこにはあった。
しかし、こちらの小学校では、新しい試みで、涙のない卒業式を目指すと言う。その発想はなかなか良いと思う。明るく新しい未来への旅立ちというわけだ。
しかし、実際の卒業式はどうだったかというと・・・。
全生徒中、泣いた人は0人。
これは、企画の意図通りだ。
しかしそれは単に、卒業式から感傷的なエッセンスを抜いただけのものだった。何の盛り上がりもなく、あっという間に皆の心を素通りしていった。それはまるで、いつもの月曜日の朝礼のようだった。
私としては、涙はなくとも何かしら感動的な演出があるべきだったと思った。
それとも、そのように感じたのは、私には皆との思い出がなかったからだろうか。
いや確かに、泣き出した生徒は、在校生も含めて0人だった。そしてそこには、喜びの表情もなかった。日常と一緒だった。
前いた学校の卒業式なら、涙を堪えるのに必死だっただろう。
前の学校の友達の事が想い出だされた。まあ、涙を見られずにすんだのだから、善しとするか。
卒業式が終わると、クラスの担任は皆の前で、
「今回の卒業式は、初めての試みだったけど、なかなか良かったと思う。」
と、自画自賛した。
僕はお詫びの一言を想定していたので、思わずずっこけそうになった。まあ、演出というものは、相手の気持ちが解らないと出来ないものだから、卒業式で丸刈りを強要するような担任の口から出る言葉とは、きっとそんなものなのだろう。
いずれにしても、半ズボンから卒業できたので清々した。