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欽ちゃんとは

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彼女は何故、転職で前職の1.5倍もの年収を手にする事ができたのか。
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中学生になって、ちょっと困った問題が発生した。

小学校時代は、周りは僕の転校の背景をある程度理解している仲間ばかりだったので、問題は発生しなかったのだが、、中学校では、そのあたりの事情を知らない人達に囲まれる事になる。

すると彼らは、僕がしゃべっている際に、いちいち会話をストップし、

「今の、なまっているよ。」

と、突っ込んで来た。

むろん彼らは、「訛っているよ。」等とは言わない。現地の方言で言ってくる。不思議な事に、彼らは自分達が訛っているなどとは、これっぽっちも思っていないのだ。仮に大阪弁が、訛っていない関西の標準語だと仮定しても、その言葉に対しても訛っているのにだ。

そして彼らは、決まってその後にこう続けた。

「どこから来たの?」

それに対して東北の地名を言うと、全員が笑った。

その地名を言うと、100%笑われた。結果はパーフェクトだった。大人も子供も、男も女も関係ない。クラスの人気者も、普通の子も、いじめられっこもだ。どうやら僕は、人として住んではいけない場所に住んでいたようだ。

お世辞でも嘘でも良いから、「良い所に住んでたね。」とか言ってくれる人が、一人くらいいても良さそうなものなのに。そんなにその地に住むことがおかしい事で、蔑まれる事なのだろうか?

良いフォローがあったとすれば、部活仲間のM君の言葉だった。

「どうせ住むんだったら、超都会か、思いっきり田舎が良いよな。俺達の住んでいるところは、中途半端だよな。」

その言葉は的を得た大人の発言だったので、ちょっと救われた。でも僕の場合は、必ずしも田舎暮らしを満喫していた訳ではない。その中途半端な田舎の方だった。

それにしても、それ以外に、気の利いた言葉は聞いた事がない。

実はこれは、その頃の時代背景も影響していた。

当時は、人気絶頂のビートたけしが、相方の出身地を露骨にばかにして、笑いにしていた。吉幾三が、田舎の不便さをオーバーに表現して、笑いにしていた。人気のピークにあった欽ちゃんが、テレビ番組で東北弁口調のキャラクターを登場させ、人気を博していた。

当時の日本人にとって、東北人=ださい田舎者=笑うべき対象

という構図が出来上がっていたのだ。

笑われるとわかっていて、東北に住んでいた事をいちいち答えなければならないというのは、非常に苦痛だ。そもそも僕は、本当は関西出身なのだ。東北は転勤に伴って一時的に住んだ、仮の宿であったに過ぎない。その濡れ衣を晴らさねばならないが、全校生徒にいちいち話して回るなんていう事はできっこない。

そもそも僕がなまっているのではなくて、君達が訛っているのだろう?君達のどこが訛っているか、いちいち指摘してやろうか?

そんな風に毎回思ったが、この問題を解決する唯一の方法は、現地の言葉を完璧にマスターして、「訛り」をなくす事だった。方言をマスターして、現地人のふりをすれば、余計な事を聞かれずに済む。

あるいは、本当に僕が東北出身だったのなら、腹をくくり開き直って、吉幾三のように東北人キャラを売るという方法もあったのかもしれない。しかし、そんなかっこ悪い事は、二枚目キャラの僕に出来るはずがなかった。

しかし僕は二枚目キャラではあったが、当時欽ちゃん番組の東北人のキャラクター名を、あだ名につけられていた。

ある日、それを親がどこかから聞きつけてきて、その欽ちゃん番組を見ながら

「本当だ、似てるねえ。」

と喜んだ。

子の心、親知らずだ。

容姿が似ているから、そのあだ名をつけられた訳ではない。東北弁の訛っているスローな口調だから、半分ばかにされてそういうあだ名になったのだ。容姿は、面長で丸刈りという特徴があてはまっていただけに過ぎない。

転勤しても親は苦労しない。

まったくいい気なもんだ、と思った。

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