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僕が転校してきたクラスの学級委員長は、女の子だった。
なかなか、頭脳明晰な感じがする、さわやかな子だった。といっても、特に恋愛感情を抱いたわけではない。
ある日、学級委員会の席で、彼女がクラスの皆の前でしゃべる機会があった。そして彼女が、最後に「決」をとった。
「~で、よろしいか?」
と、彼女は言った。
僕は一瞬、耳を疑った。
言葉の抑揚、イントネーションは、グラビアアイドルの安田美沙子を思い起こされたい。あの天然・京都弁調できたのだ。「~で、よろしいか?」って?
クラスに大爆笑が起きる場面が僕の中でイメージされたが、皆は、何事もなかったように、当たり前に、それに対して返答をしていた。
どうやら関西では、「~でいいですか?」という表現は、「~でよろしいか?」と言うらしい。
文語で「宜しいでしょうか」、あるいは口語でも、お客さんに対して「よろしいですか?」、「よろしいでしょうか?」は、日本語として良く使われる表現だ。しかし、「よろしいか?」は、それらとは違う。関西弁独特の表現だ。
以前住んでいた東北の学校では、普段は東北弁まるだしだったけど、少なくとも学級委員会のような丁寧語を使う場面では、標準語に準じようとしていた。イントネーションは東北弁風で、口調はスローだったかもしれないが、筆記に表せば、標準語と何らかわらないものであったはずだ。
とは言っても、途中で横槍を入れる先生の言葉は、東北弁丸出しだった。
両親は共に関西出身なので関西弁を話すが、「~でよろしいか?」という表現は、ついぞ聞いた事がなかった。丁寧語だから、子供に対して使う機会がなかったのだろうか。
いずれにしても、僕はショックを受けた。
その他の言葉も、まさに関西弁のオンパレードだった。
そしてこれは、僕の苦悩の序章に過ぎなかった。