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小学校6年生の、3学期頃の心境を憶えているだろうか。
中学校への入学を待ちわびるワクワクした気持ち、中学生になる事への不安、もうすぐ来る別れを寂しく思う気持ち、そういった物が混ざり合った複雑な心境だったりしただろうか。
僕の方はというと、そんなに楽しくはなかったというのが本心だ。
故郷の友達を恋しく思っていたのかもしれない。
本当は故郷じゃないけど、10年も暮らしていれば、故郷のようなものだ。
ぽっかり心に穴が開いたような感じだったから、学校はそんなに楽しくなかった。居心地の良いものではなかった。
だから、土曜日が来るのが待ち遠しかった。
土曜日はワクワクした。
理由はもちろん、授業が午前中までだからだ。
当時、クラスではサッカーが流行っていて、土曜日の午後はクラスの有志が集まりサッカーをやっていた。しかし、当時はまだJリーグが発足していなかった事もあって、僕は興味がなかった。だいいち、昼飯をとらずに、空腹の中、サッカーをやるなんていうのは、考えられない。
クラスメートが気を遣って僕を誘ってくれたが、即答で断った。
そしたら彼が、
そうかい、そうかい、やりたくないやつは、無理にやらなくて良いよ。
という意味の言葉を、大声で吐いた。
ちょっと、ぶっきらぼうに断りすぎた。
とは思ったが、どちらにしても、友達をつくるためにサッカーに参加しようなどとは思わなかった。
ただ、早く家に帰りたかった。
だから土曜日は、家まで走って帰った。
更に、真冬なのに制服が半ズボンである事が、僕の導火線に火をつけた。
全力で走った。
笑顔で走れた。
次の日が月曜の日曜より、
次の日が日曜の土曜日が好きだった。